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結構好き勝手書いてるよ 
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更新しました。
相互リンクの里見さんとプロットを交換しました。
私がプロットを書いた『シメオンの聖卓』は里見さんのサイトに載っているのでこちらも是非読んでください!⇒http://thor.hiho.jp/


続きから
あとがきとか解説というか



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頂いたプロットを拝見して、私個人は反逆者達の言うことの方に共感してしまったのですが、それはそれで良かったなぁと思いました。

創作をするとき、私は主人公とは気持ちの上で距離を取っているつもりなので自分と同じ考えの人物を中心に据えると、少し落ち着かなさを感じます。
物語の絶対的な共感を得られやすい主人公という立場のアバターを使って自分の考えを演説しているような……というと言い過ぎですが。
脱線しましたが、一方で主人公の決断も納得できるものでした。
法に携わる人間は自らの正しさを立証する立場にはないのです。
既に絶対的に正しい法を愚直に順守することが求められる立場にあるのです。
仲間を無慈悲に裁くのは当然のこと。
一番感情によって動いてはならない人間なのです。
では、その絶対的に正しい法という前提が壊れてしまったらどうでしょう。
とても寄る辺ない気持ちになるのではないかと思いました。
絶対的に正しかったからこそ、自分の感情を挟まずに押し殺しても法を信望できたのです。
だったら、その絶対的な法の正しさが揺らいでしまったらどうなるだろう?と反逆者に共感してしまった私は考えました。
そこからドラマが生まれるような気がして、このお話の方向性が決定しました。


自らの感情など関係なく法を守っていた主人公は迷い、そして悩みます。
自らが敷いた法の正しさが分からなくなり、寄る辺がなくなってしまうのです。
エンキは恋人を愛しているのですが、それ以上に法務官ということにアイデンティティを持っているので悩む内容は正しいのか否かに終始しています。
そこで迷う彼の背中を押す役割が与えられたのが、王様です。
王様は彼が何を迷っているのか知りません。
例え説明されても理解できません。ですが、彼はそれで良いのです。
内容の正誤関係なく、王様はエンキの迷いを背負うのですから。
王様は「お前の法によってシャムハトを裁け」と命令を下します。
結局、物語の中でシャムハトとエンキ、どちらの主張が正しかったのかという正解は提示されません。
ただエンキが自分の法を順守することを選び、シャムハトが裁かれたという事実だけです。
エンキは悩みを断ち切ってようやくシャムハトを失うことがつらいと泣きます。
最重要の迷いが解消されたので、エンキはようやく恋人を持つ男である立場に立つことが出来たのです。
ここで、彼にシャムハトを助けるという選択肢はありません。
冒頭の通り、彼は裁判官であり法を順守する立場にあるのですから。

シャムハトにしても裁判官が裁きを決定したのですから、それを受け入れる他はありません。
それが正しいのかどうかと問うことは出来ても、決定された裁きを覆せとはシャムハトにも言えないのです。
考えや立場が異なるだけで、シャムハト自身も秩序の中にいる人間なのです。

ただし、恋人としてのシャムハトはエンキよりも余裕があり、情があるように描いたつもりです。
恋人としての狡さや甘えがあり、間違っても罵ったり嫌悪を口にせずに、僕らは愛し合っていたと確かめ合うのです。
それは本心であり、意図的に恋人に傷を作る行為です。
これからエンキは何をしても隣にいない恋人を思い出すことでしょう。

私自身は、彼の主張があながち間違っているものではないとも思っているので――と言ってもあの状況に立つとエンキと同じように歴史を改竄する恐ろしさに怯えてしまい、エンキと同じ選択をするような気がします――死刑の決定的な描写まで描くことが出来ずにぼかしてしまいました。
彼の罰が死刑であるのか幽閉であるのか流罪であるのか、読んだ方にお任せしようと思います。

 

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